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今頃FinePix F11を買ってみました
2006年08月20日(日)


巷では高感度なカジュアルカメラとして定評があったので,¥26,000程度に安くなった瞬間を捕まえて試しに買ってみました。
もっと高感度なものが欲しければ,今ならiフラッシュ機能もあるF30という選択肢もありましたが,1万円程度も違うので,貧乏性の悪いクセで買えませんでした。

〜〜〜+〜〜〜

●デジタル一眼並の高感度
このカメラは,FUJIFILM製なのでxDピクチャーカードである点と,見た目に感じる程は重たく無いけどブ厚い点,充電するにもUSB接続するにも必ず付属の四角いアダプターを介さないとダメな点さえ許容できれば,他のカジュアルカメラでは得られない圧倒的な高感度を得ることができる。その高感度さは,ハッキリ言ってデジタル一眼カメラに迫るものがあり,正直に感動に値すると思う。

確かに細かい点を見ると,FUJIにありがちな絵作りで『ディティールが失われ気味』とか,『シャープ感に欠ける』とか,『色が少々鮮やか目になる』とか,言い出したらキリが無いわけだが,そもそもカジュアルカメラには画質の細かい点を議論するよりも,高感度な性能に支えられる撮影のしやすさ,失敗写真の少なさが優先することは間違いなく,それこそがカジュアルカメラに求められているものだと改めて感じさせるカメラに仕上がっている。

●手持ち撮影によるサンプル
クドクドと説明していてもWebmasterの国語力では説得力を生まないので,サンプル画像をご覧頂きたい。

どのカメラも,カジュアルカメラでの撮影シーンを考慮して,三脚は敢えて使ってない。椅子に座ってカメラを手に持って撮影した。腕は固定せず,ひじを90度程度曲げて空中に構えた。環境光は夜間の撮影のため,蛍光灯のみ。周辺に白色の机・ベージュのカーテンと天井がある。カメラ内蔵のフラッシュを用いている以外は,すべて全く同一条件にしているつもりである。

また,リンク先の画像は縦が900pxになるようにPhotoshopにてリサイズ済みである。これはカメラ毎に異なる解像度の違いを吸収するためであり,同一条件での比較を行いたかったからである。プリントアウトしたりWebに載せるなどの用途では,同じ解像度で比較する方が,実際に使われたシーンでの性能差を実感することを重視している。

画角は35mmカメラ換算で50mm程度になるように考慮しているつもりである。
感度はX60のみ一段低いものを設定している。撮影モードにISO800が無いことと,ISO50が唯一あること,また結果論ではあるが,画質もかなり悪いことも挙げられるので,X60だけ感度を一段低くしてみた。それでも画質で歴然たる差が出てしまっている。

メーカーや製品によっては,このExif情報そのものに基準の違いによる誤差が含まれている(ヒドイ場合には基準を大幅にズラして捏造とも言えなくもない)場合もあるため,他社の写真と比較する場合には実は注意が必要だ。しかし,今回ここに掲載している数値は,全てカメラ自体が記録しているExif情報をそのまま掲載した。


-FUJIFILM
FinePix F11
KONICA MINOLTA
DiMAGE X60
OLYMPUS
E-300
低感度モード
(フラッシュ有り)
ISO : 100
F値 : 3.4
シャッタースピード : 1/8秒
ISO : 50
F値 : 3.5
シャッタースピード : 1/45秒
ISO : 100
F値 : 11
シャッタースピード : 1/50秒
低感度モード
(フラッシュ無し)
ISO : 100
F値 : 4.0
シャッタースピード : 1/3秒
ISO : 50
F値 : 3.7
シャッタースピード : 1/3秒
ISO : 100
F値 : 8.0
シャッタースピード : 1/2秒
高感度モード
(フラッシュ有り)
ISO : 800
F値 : 7.1
シャッタースピード : 1/8秒
ISO : 400
F値 : 7.1
シャッタースピード : 1/45秒
ISO : 800
F値 : 10
シャッタースピード : 1/50秒
高感度モード
(フラッシュ無し)
ISO : 800
F値 : 4.5
シャッタースピード : 1/20秒
ISO : 400
F値 : 3.7
シャッタースピード : 1/30秒
ISO : 800
F値 : 5.6
シャッタースピード : 1/15秒


フラッシュに関しては,デジタル一眼であるE-300にはカジュアルカメラには無い強力なものが付いているため,比較するには分が悪い。しかし,今回のサンプルよりも被写体との距離がある場合が一般的である以上,フラッシュ無しで比較したい。その点で注目したいのが最下段のサンプルだ。ここではE-300とF11の写真は同等レベルと言えるのではないだろうか。


●F11総評
このカメラの最大の特徴はノイズが少ないことなので,例えばISO800を常用しても,他のカジュアルカメラよりもキレイに撮影できる

同じ暗さであれば,大げさではなく2〜4段(2倍以上)速くシャッターが切れるため,手ブレ補正機構などはそもそも不要だ。

手ブレ補正機構は撮影者側に起因するブレを吸収する場合に有効であり,被写体が動いている場合には大抵が無力だ。カメラ自身が高感度であれば,被写体のブレも低減するわけで,そうした機構の分,高感度な受光素子・処理系にコストをかけた方が有利であるとWebmasterが常々言いつづけてきたことを実現してくれた。

高感度なカメラは,結局失敗写真を減らし,結果的にシャッターチャンスは増えるし,今まではカジュアルカメラではフラッシュ無しでは不可能だったジャンルの写真(例えば,暗い居酒屋やカフェで仲間とスナップ撮影・寝る前の子供の様子などの領域)が十分に可能になってくる。

しかしレンズは普通のカジュアルカメラのものであり,性能を期待してはいけないのだが,これも絞りを絞ることによってレンズの性能差をある程度吸収出来てしまう。高感度カメラの成せる技だ。

もちろん,ぼけ味とかAFの速さ/精度とか,レンズを交換したいなんて無理難題を言いたければ,カジュアルカメラではなくて,一眼レフカメラを,という話なるが,カジュアルカメラとして気軽に使う=色々な面で割り切りが必要と,今まで切り捨ててきたものの大事な部分が,このカメラによって諦めずにより簡単に・美しく写真に残せる。『高感度は非常に大きな正義だ』と証明してくれるカメラだ。

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