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同時テロで報道/報復の方向性
2001年09月17日(月)


▼あの日のWebmaster(前置き/備忘録を兼ねて)
あの日,Webmasterは某公共放送協会で夜9:15から放送されている『プロジェクトX』を見ていた。

残念なことに,いろいろなところで指摘されているようにネタに関する裏づけが怪しく,だからこその強烈な物語性を付加した番組だといわれているが,Webmasterとして内容が多少の眉唾モノであったとしても(厳密なノンフィクションとしてはどうかと思うが)とにかく十分に感動/楽しめるものがあり,個人的な技術力向上を動機付ける番組として,毎週楽しみにしている数少ないもののひとつである。

これが放映終了する前に,勤め先の上司とチャットモードに入っていた。従ってエピローグをチャット半分で見た後,特にチャンネル変更/電源断もせずそのままになっていたため,TVスクリーンにはその後の午後10:00から始まる『ニュース10』が映っていた。

そろそろ本格的にチャットでもやろうとしたそのとき,緊急ニュースが入ってきた。ちょうどTVでは(某友人そっくりで,個人的に見るたびに思わず笑ってしまう)(堀尾正明キャスターが台風15号の影響などを伝える1本のニュースを読み終えたときであった。
『アメリカ・ニューヨークの貿易センタービルに飛行機が突っ込んだ』という第一報と共に,CNN経由のヘリコプターからの遠隔操作による映像が入ってきていた。この時点で最初の衝突から15分ほど経っていた。

驚いたWebmasterはチャットで上司に『1チャンネルを見たほうがいい!』と打ち込んだ。それから1分弱後が,なにやら飛行機が低空飛行で近づき,そのまま2本目のビルに突っ込んだ瞬間であった。ライブでとんでもない現場を目撃してしまったとの興奮と共に,テロの予感から確信に変わり恐怖感を覚えたのだった。


▼民放の対応
このとき『この緊急時だから民放各局の別の緊急中継映像を見てみたい』と思った。日本にも影響のある出来事に違いなく,もしかすると脅威がすぐそこまで迫っているかもしれないと考えられたからである。とにかく直感的に『少しでも判断材料が欲しい』と思った。

某テレ旭のニュースステーションが定時に放送を開始していたが,まだこの時点ではほんの少しの映像紹介に留め(映像はCNN経由の某公共放送協会と同一のもの),普段と変わり無いニュース構成(当然CMも通常通り入るし,スポーツ結果も放送)で少々驚いた。

また,他局に至っては午後11時に至るまで,いわゆる「タレントが出演するだけのおフザケ番組」を流し続けていたため,この(貴重な公共電波資源を努力無しに無駄使いし続けた)事実に唖然とした。

同協会の放送を見ていなかった他局の視聴者は,せっかくTVを観ていたのに大きな事件の発生を知ることが困難だったため,結果的に『翌日の朝のニュースで知った』『会社に来て同僚から知らされ初めて解った』などと,迅速な行動が必要だったかもしれない事態の発生を,民放は報道しなかった。確かに緊急テロップやCM明けの1分ニュースなどで伝えていたが,それでは不充分である。国民の誰もが見逃してはならない内容だったのではないかと思われ,たとえ得られる情報が乏しい場合でも繰り返し伝えられるべき内容であったはずである。

『公共放送は不自然で原則的には不要だが,それは民放が公正・公平で全国に情報を提供できることが大前提で,現状は必要悪として支持できる』という個人的な意見があった。受信料の税金化は国営放送と変わりなくキケンだが,かといって企業スポンサーありきの放送では公正さが失われるし,なによりコンテンツの目先が短くなるからである。多チャンネル時代へ突き進んでいる現状では,よりその傾向になる。

すぐに全ての放送予定をキャンセルし,驚くほど迅速に緊急報道体制に入った某放送協会の努力は,そのまま同協会の存続意義を見せ付ける結果となってしまった。


▼報復の方向性
その後チャンネルを某公共放送協会に戻すと,テロップ無しのソース/場所不明映像に切り替わった。五角形の建物が確認でき,ペンタゴンだと瞬間的に判ったが,この時はさすがに戦争が起こっているのではという認識になった。

今日現在,アメリカをはじめとする先進国・国連常任理事国がアメリカや西側経済構造への挑戦という趣旨の声明を発表していながら,『報復』の実質が武力戦闘についての機運のみが先走り,『経済面でテロに屈しない』というメッセージが殆ど発信されていないのは,今後に対して疑問が残ると同時に,大変残念である。

それどころか,本日『ニューヨークは明らかに傷ついた。経済に影響があるのは間違いない。』(合衆国大統領談)などと発言していて,武力によるリベンジを正当化/強調するのみに留まっているのは残念である。今回の発言/行動で,現米政権が某軍需産業の強力な影響下に置かれているのではという疑念が払拭できず,むしろこれが正当な見解になってもおかしくない。

また日本では,リスク覚悟の『事件翌日の証券取引』が行われた。ここで(無責任な態度というのが原因からかもしれないが,いずれにしろ理由はどうであれ,全面安ではあったが)大混乱が起こらなかったという重要な事実を最大限利用して,『今回のテロが世界経済に対する挑戦であったが,日本は経済的に混乱しないようにする責任を発揮して,経済面で徹底支援する』などと政治的なメッセージを発信すべき立場だったのではないだろうか。そうすれば米もここまで極端に追い込まれずに済んだかもしれない。

各国首脳も同様に,軍の武力による報復という手段を無視しろというのは現実的には無理な注文かもしれないが,ここで重要なのは,経済面への挑戦だという認識を実際の行動に反映すべきということだ。武力による報復は,『報復の連鎖』から逃れる有効な手段ではないはずだ。世界中のテロリストを全て抹殺することに匹敵するだけの莫大な効果が得られるはずがないからである。

つまりテロ側に対して『経済面でも戦う姿勢』を心理的な宣伝として効果を上げていくような機運を内外に示さなければ,われわれが結果的に経済的にもテロに屈することになると思われるのである。もちろん来るべき第2のテロに対する策のみならず,景気対策支援の側面から見ても,その効果は大きいと思われるのだが。

コンピュータで再生不可CD 訴えられる
2001年09月08日(土)


ZDNET『コピー防止音楽CDが「誤解生んだ」と消費者が提訴』
http://www.zdnet.co.jp/news/0109/08/b_0907_05.html

音楽流通業界側の論理のみの,ユーザ不在のシステムが入り込んで来ている。社会通念上の音楽CDの使い方を規制してくるのは,時代が進歩している現代にあって,このやり方は後退していると言ってもいい。もはや音楽CDというものは,すべての人に『文化』として定着したのに,今更その使い方を制限するというのは,一般人が納得できるはずがない。そう言う意味での今回の提訴には正義がある。

もっとも,法律ではこのような使い方に関する権利をユーザ側が主張できないらしいが,こんな囲い込みのようなことを強力に続けていれば,現在よりもさらに音楽CDの売上が落ち込み,本末転倒なような気がするのはWebmasterだけであろうか。

どちらにしろ,知的所有権そのものの定義や価値観,運用方法が大きく変わろうとしている中にあって,音楽流通業界側の脅威が,このような形で現れてきているものと思われる。つまりネットなどが,このような流通業を不要になってしまう流れを作っていることがハッキリして来ているのである。

一般的に音楽に関する知的所有権の価値が現在よりも格段に縮小する方向だと考えられ(音楽に限ったことではない。コンピュータソフトウェアも既に,パッケージからサービスへ向かっていることはかなり前からハッキリした流れとなっている),それまで音楽流通業界が健全な活動をしていれば,下手な規制発生や世論を敵に回すようなことは避けられる。つまり,アーティスト・圧縮方式などの囲い込み行為とはむしろ逆の,よりオープンな活動を展開することによって,結果的に業界の必要な分が確保される。しかし,現時点ではそのような兆候は残念ながら見ることができないのである。

最大手MSでも9月9日問題か?
2001年09月07日(金)


マイクロソフト『Windows Millennium Edition をご利用のお客様へのお知らせ』
Windows Millennium Edition の [システムの復元] 機能で、2001 年 9 月 8 日よりも後の復元ポイントが利用できない
http://www.microsoft.com/japan/support/warn010807.asp

時刻がある時点を過ぎると動作しなくなるというものの代表例は,西暦2000年問題がかなり有名になったが,その際に隣接する日付問題も西暦2000年問題と位置付け,大半は同時にチェックしたというシステム・ソフト・ベンダーが多かった。

こういった日付や数値,文字列などのパラメータそのものに終了条件として持たせるというプログラマの(過去の)一般的常識がいかに愚かなことだったかということ,過去のプログラムを空気のように(単なるインフラとして)何も考えずに使用/更新しないことなどを,プログラムを組む側・使う側の双方が反省の意味を込めて,新たな21世紀の常識としたい。

2000年はとっくに過ぎ去った。人々に多大な影響を及ぼしかねないとした多くの機関の発表をよそに,我々は無事に新世紀を迎えるに至っている。

しかし障害が深刻だったにも関わらず一般に公表されていないケースが多いと聞く(日本の原発は非常に危ないところまで行っていたという噂が実しやかに囁かれている)。しかも,問題に対処するために『30年ほど』管理日付を先送りしただけというケースは非常に多い。まさに過去の遺産をそのまま背負って21世紀を迎えていたわけである。

現に今回のような大勢が使用するシステムでも,まだまだ発覚していない問題が残っているとすれば,西暦2000年問題はまだまだ終わっていなのは明白なる事実である。

外出先から赤外線でリモコン計画
2001年09月03日(月)


実はかなり前から『せっかく我が家を常時接続にしたのだから,会社からリモコン操作が出来れば良いな・定点観測カメラで,自宅の様子がわかればいいな』と思っていた。

で,それらしいものを調べていたが,良いものがなかなか無いのである。

まずPCから赤外線リモコンの赤外線を飛ばせる製品が,旧ハル研究所(現株式会社ハル・コーポレーション)の学習リモコン『クロッサム2+』(http://www.halcorp.co.jp/hard/crossam/index.htm)しかなかった。これはこれでなかなか良い製品だが,イカンセン学習型の赤外線リモコンとしてしか使えないし(当たり前)何より少々高価だ。

で,仕方が無いのでPCのCOMポートかプリンタポート(或いはオモシロ半分にUSBか?)を利用して赤外線を発信・受信できるようなものを自作するしかない。『無いものは作る or 製品が高ければ自作の巻』は技術者必須の古文書である。

幸いWebmasterには,ごく少しのハードウェアの知識とアセンブラを組める程度の知識はあったため,簡単なシステムであれば設計できる。過去に赤外線通信をポケコン(最近はエミュレータで復活したらしい(笑) http://members.tripod.com/~matsumo/e500/と驚くほど質素な自作ハードを組み合わせて実現したことがある。

これは赤外線LED1個・赤外線受信1チップユニット1個と配線少々のみで38KHzの搬送波に乗せて1200〜4800bps程度の通信が行えた。一般家電のリモコン信号も送受信可能である。

技術的なキモはSHARP製の『IS1U60』http://www.sharp.co.jp/products/device/ctlg/jsite/table/opt111.html#01 実売300円程度)を使うことであった。基本は類似の赤外線リモコン受光ユニットと同じだが,外付け部品なしで赤外線の受光から増幅・搬送波/ノイズの取り除きなどの一連の復調作業をやってくれるので,Webmasterのような素人には実に有用なのである。

それは学生時代の頃であった。思えば38KHzの搬送波はCPUクロックから命令実行時間を割り出してタイミング良くI/Oへストアすると言う,今では考えられない程単純(お粗末?)なシーケンスの設計だった。ポケコンだからこその設計とも言えるが・・・。

これをInternetにつながったPCでやってみたいわけである。
信号を直接I/Oに流し込みPCなどで家電リモコンの信号を学習させ,発信時は受信時と全く同じシーケンスでNE555辺りを用いた発信回路の先に接続したIR-LEDを光らせるという仕掛けだ。学習リモコンのハード・ソフトは至ってシンプルである。実際にはWindowsがリアルタイム処理に向かないため,中間に1チップマイコンを設けるのが理想だ。実際にWebにはその手合いの回路図をいくつか見つけることが出来る。

回路は論理的に簡単だ。後は画像である。
ラッキーなことに,ずいぶん前に安物USBカメラが懸賞で当たっていて(http://www.che-ez.com/che-ez/ca/ca.html),Netmeetingでカメラチャットをしているが,これを流用すれば実現可能だ。カメラの画像をjpegなどにするソフトはいろいろあるが,『cap3z』(http://www.forest.impress.co.jp/library/cap3z.html)辺りがホストになる機能があり良いかもしれない。

『さて,条件は揃ったぞ。そろそろ自作するか・・・。まずは回路を設計するか。安定的に赤外線送受信しなければビデオ録画には怖くて使えないよなぁ。やっぱり,1チップマイコン開発キットを購入するか・・。いやしなければ・・・。案外楽しい作業になるかも・・・。最近はEPROMに焼く必要もなくなったし,手軽に始められるし・・・。PC側の制御ソフトはVBかな。まぁ,ソケットはもう慣れたし,ブツブツ・・・』と言い聞かせるように重たい腰を上げようとしていたまさにそのときであった!

※ここまでは単なるフリであって,ここからが本題。(笑)

◆ZDNN『TV録画もしちゃうぞ「フレッツ・ロボ」 NTT西とタカラが開発』
http://www.zdnet.co.jp/news/bursts/0109/03/fletsrobo.html

うげ!既に製品化間近かよ?!しかも安価そうだぞ・・・(当然制御ソフト込み)。

というわけで,1チップマイコンの学習・自作回路とPC間のインターフェイスの実験という企画は,いろいろ理由をつけていたその根底が無くなってしまったため,このタカラのマシンのデキを見守ることになった。(笑)

俺,弱すぎ。

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