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早くも今世紀最大の災害か?
2004年12月30日(木)


恐ろしい天災が起こった。スマトラ沖地震,インド洋津波。インドネシア,タイ,スリランカ,インド,モルディブ・・・。警報すべきを混乱を恐れ隠蔽するなど,人災に相当する被害もあるようだが,いずれにしろ現場では,非常に苦痛で,大変に困難な事態が,これから何年にも渡って続くだろう。マグニチュード9.0(M9.0)ともなると,余震はM8級のものが起こる恐れがあり,それも数年単位で続くこともある。

今年のワタクシは,今年生まれたばかりの娘がアトピーになりかけで心配な他には,特に何事も無く,ぬくぬくと年を越せそうだ。乾いた暖かい布団で,清潔な服,衛生的な水と食料。なんという幸福・・・。

そんなワタクシが,現場に行って何かを出来るような技量や経験,リソースを持ち合わせていないのは,本当に残念だ。むしろ今,無理に現場に駆け付けたところで,圧倒的に物資が足りず,非常に不自由かつ不衛生な環境では,お手伝いをしても貢献するどころか,体調を崩したり,二次災害を引き起こしたり,迷惑を掛ける事は必至。そんな旅費を投じるくらいなら,せめて募金ぐらいは,と思い立った。

日本政府の初期の緊急支援は,これまで『要請主義』などと称した基本スタンスだったお陰で,初期支援が遅れがちになり評判が悪かったが,とりあえず45億円を拠出するらしい。これまでと比較すれば,今回は同じアジアということもあってか,異例の規模,かつ諸外国の中でも現段階では最も高いようだ・・・が,しかし,それでも45億円。国民一人当たりたったの38円弱だ。日本の国勢を反映しないあまりにも馬鹿馬鹿しい金額である。こんなもので足りるわけが全く無い。逆に,スーパーなんかに置いてある募金箱に,多くの買い物客が,おつりの一部を投入すると,これが結構な額になるということを改めて実感することが出来るが。

確かに国内にも困っている方々が大勢いる。今年は震災や度重なる水害で多くの方が被災したが,インド洋津波では,規模や悲惨さが全く異なっているので,悪いことに霞んでしまった。しかし,経済的にもギリギリで,かつ社会情勢が不安定な地域のインフラは,こういった災害には弱いのである。特に今回のような規模では,WHOが警告(http://www.asahi.com/international/update/1229/011.html)している通り,イラク戦争の復興よりも規模・課題ともに困難で,特に衛生面での緊急の支援が必要になっている模様なのだ。

▼スマトラ沖 緊急募金
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=%E5%8B%9F%E9%87%91+%E7%B7%8A%E6%80%A5+%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%88%E3%83%A9%E6%B2%96&lr=lang_ja

現在,財団法人日本ユニセフ協会・日本赤十字社あたりがメジャーなようである。また,広告のスペースにもいくつかのアピールがあるようだ。有効に活用してもらえるような組織かどうかをよく検討した上で,是非寄付をしたい。

▼財団法人日本ユニセフ協会
http://www.unicef.or.jp/kinkyu/sumatra/2004.htm

▼日本赤十字社
http://www.jrc.or.jp/sanka/help/news/703.html

ちなみに,こんなときに不謹慎とも言えるが,ユニセフ・日本赤十字の募金の領収書で,所得税から控除されるらしい(詳細不明)ので,節税を考える向きには,こういう手があるとお知らせしたい。

   〜〜〜+〜〜〜

ところで,地震発生当初から連日の報道で『邦人*名不明』という文字ばかりが目立っているわけだが,これには何とも言えぬ違和感を感じている。同胞の安否はもちろん心配だが,それ以上に3〜4桁も違う人々が遭遇しているであろう,その悲惨な雰囲気や情報が,紙面のかなり奥の方へ追いやられているのを見ると,日本人として恥ずかしい思いである。

例えば,イラクでの派兵を『国際貢献』として強調された割に,実際にもっと悲惨な津波の被害が起こっても,政治的に直接意味の無い事態には,世間全体が無関心,という現象である。敢えてココに書いておくことにする。

偽善も善
2004年12月30日(木)


偽善とは,効率の悪い『善』で,かつ『善』をした気になってしまうことが最も大きな問題と承知の上ということは,あらかじめ書いておかなければならないだろう。

▼Mainichi INTERACTIVE
『インド洋津波:「日本の防波壁が首都を守った」モルディブ』
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/news/20041228k0000e030054000c.html

何とも某『Projext X』に出てきそうな,感動モノの話である。

しかし残念ながら,日本の他のODAは評判が悪いのだ。途上国などを支援するために費やしている金額は,先進国の中で数字上はダントツなのだが,その費用の使われ方に問題があり,現地での作業の計画がずさん(非効果的)なだけでなく,その作業自体が現地の人々よりも日本企業が請負い,作業料として回収してしまう(=現地には何の意味も無い)という実態が一部に横行しているからである。ODAが偽善に満ちていると言われているのも無理も無い。

実際に今回の防波壁が,死者が出なかったということに直接役に立ったかどうかは定かでは無いし,防波壁の作業プロセスがどのようなものだったを検証しているわけではないが,しかし,これは悪い話ではない気がする。

こういう話が実績として積み重なれば,問題のあるODAを排除出来る態勢が,あるいは,もっとマシな対応が出来るようになるのではないか,と楽天的に考えられる出来事である。

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