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日和見バナナ |
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We are students of development.
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Hiyorimi Banana by "saging"
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フィリピンの文化 ♯7
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甘いスパゲティ
2003.5.28(水)
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今日は台風で、とてもではないが1時間半もかけて調査地のP地区に行くことはできない状況。メトロマニラはシグナル1(もっとも弱い)らしいが、雨風はすさまじく荒れ狂っている。これでシグナル1だとしたら、いったいシグナル3ってどうなるのだ。日本でこのスケールの台風が来たら暴風雨警報まちがいなしだろう。
朝、P地区の住民リーダーから携帯に、「こちらはもう洪水でジープも止まっているから、今日はケソン市にいなさい」とのメッセージが入った。オーガナイザーVに電話すると、「私も外に出られず困っている。絶対に今日はこっちに来ないように」と言う。P地区はどうなっているのだろう。
テレビがないと、こういった場合に本当に困る。1時間おきに、テレビを持っているアパートの隣人や管理人さんに「まだシグナル1なの?本当に?」と尋ね歩いていた。このアパートを紹介してくれた隣人のSさんは「昨日の午後から、政府機関のオフィスは閉鎖されているらしい」と言う。
昨夜から、回線が切れているのか電話はトーンが鳴らず、ネット接続もできない。緊急に送りたいメールがあるので午後から大学の研究センターに行こうかと思い、研究センターに電話してみると、案の定、誰も出ない。スタッフの携帯に「今日は休み?」とメッセージを送ると、「当然でしょう」との返事。
というわけで、今日も一日、家でゆっくり勉強…できたのはよかったのだが、すでに冷蔵庫には食料がない。野菜はまったくなく、もはやお米すらない。あるのは、非常食として買い置きしたインスタントヌードルと、スパゲティ、マンゴーのみ。雨が弱まっている時間帯を見計らって、近所のサリサリ・ストアに野菜ととスパゲティソース、パンを買いに行った。
日本で一人暮らしをしていたときには、安くて早くてバリエーションのきくスパゲティをこの上なく愛好していた私だが、フィリピンのスパゲティには失望した。ソースも麺も違うのである。
そもそも、フィリピンのスパゲティは、ファーストフード店の「ジョリビー」のスパゲティセットに代表されるように、ソースは甘く、麺は超・アルデンテというとんでもないものである。
いろいろな人にきいたところ、どうやら、スパゲティソースは甘いのが「フィリピンスタイル」。店で売られているソースも、「フィリピノスタイル」と「イタリアンスタイル」の二種類がある。フィリピノスタイルはとにかく甘い。砂糖・バナナが入っているらしい。(ケチャップにも「バナナケチャップ」があり、間違って買ってしまったことがある。それはそれは甘くて、どう考えてもどの料理にも使い勝手がなく、隣人に引き取ってもらった。いくら私がバナナ好きでも、これはいかがなものかと…)
以前、友達の家に招かれ、「本場のイタリアンソースを使ってパスタを作ってあげる」と言われたことがある。華人系の彼女は裕福で、イタリアから輸入されたパスタソースの缶をもっていた。彼女の調理を横で見ていると…火にかけたパスタソースに真っ赤なソーセージをそのまま放り込み、最後の最後で、なんと、かなりの量の砂糖を加えていた…。いくら本場のイタリアソースでも、ジョリビーと同じ味になってしまったことは言うまでもない。
そして、麺。なんと、きくところによると、フィリピン人は麺を20分間以上茹でるのだ。そしてそれを「アルデンテ」と呼ぶ。
「麺は、家で茹でれば加減できるから大丈夫」と私は思っていた。しかし、こちらのパスタは太く、そしてなぜか、いい硬さになってザルにあげると「くっつく」のである。当然、ソースの絡みも悪く、おいしくはない。私が取り出すのが早すぎるのだろうか?すべての麺は15分用になっているのだろうか?
悩んだ挙句、私はフィリピン産ではなく、イタリア産のパスタを買ってみることにした。500グラムで値段は30ペソくらい高いけれど、それはしかたがないとして。そして今日、それが試された。
輸入品のパスタはさすがに良かった。10分でちょうど良く茹で上がり、ザルに移してもくっつくことはない。
ただ、ソースは問題だった。買ったソースはフィリピンで作られている「イタリアンスタイル・トマト・スパゲティソース」だが、甘くはないものの、どうも味が違う。炒めたタマネギとナスを混ぜてみても、あまりよろしくない。やはり、ソースのほうもイタリア産の「ミートソース」を買えばよかった(ただし、一缶につき20ペソくらい高くなる)。
こちらでは、パスタと言えばトマトソースベース(ミートソースではない)らしく、クリームべースのパスタソースは売られていない。
フィリピン大学内のおしゃれな喫茶店やちょっとまともなイタリア料理店に行けば、150ペソくらいでいろいろなバリエーションの「おいしい」パスタがあるときくけれど、1日の平均食費が40ペソの私は、まだ行ったことがない。
ちなみに、こちらの人はインスタントラーメン(日清はこちらにも進出している)も10分くらい茹で、のびきった麺をおかずにご飯を食べる。以前、P地区の住民リーダーの家でお昼をご馳走になったとき、とうてい食べられそうにない量のインスタント麺がテーブルに載っていた。「これ、全部食べたほうがいいんですか?」と恐る恐る尋ねると「夕食にするから大丈夫、好きなだけ食べなさい」とのこと。「でも、夕食までには麺がスープを吸って…」と言うと、「そうね、スープはなくなるわね。問題ないわよ。これはおかずなんだから。おいしいでしょ)」との返答。うーん。 |
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