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日和見バナナ |
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We are students of development.
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Hiyorimi Banana by "saging"
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フィリピンの文化 ♯8
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逃げ出した象
2003.5.8(木)
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日本でもフィリピンでも、心底「驚く」ということは少ないような気がする。日常生活においては、たとえ何か「予想外の出来事」に出遭ったとしても、純粋な「驚き」よりもそれに続く「恐怖」や「怒り」やそのほかのもっと別の感情のほうが強く沸き起こってしまうために、純粋に「びっくりした」だけの出来事というのはそうそう起こらないんじゃないかと思う。
が、今日は純粋に「驚いた」出来事があった。恐らく、これまでフィリピンで体験した出来事の中で一番の驚きだった。
近所に、象が現れたのである。
この象は、クバオにある「アラネタ・スタジアム」というサーカスから逃走したらしい。彼(名前はJumbo、体重2.5トン)は、マニラの心臓である幹線道路を横切って4KM歩き、私の語学学校への通学路に現れた。道をふさいでいたサンミゲルビールのトラックの脇の木陰で休んでいた。現場はもちろん通行止めで大騒ぎ、象は暑さにイライラしはじめ、消防車が出動して放水するなど、町は大混乱におちいった。そこへタイ人のトレーナーが駆けつけ、足を鎖で木に巻き付けて捕獲し、トランキラーザーを打って、MMDAのクレーン車で搬送した。
この日はJumboの担当トレーナーが欠勤しており、別のトレーナーが彼にシャワーを浴びさせようとすると、暑さで興奮したJumboは暴れて逃走、彼はJumboに踏まれて肋骨を骨折したという。
この一件は、もちろん、翌日の新聞にも写真入りで出ていた。インクワイラー誌は、「近所の子どもたちは初めて見る象に大喜びで『私たちは貧しくて象を見にいけないのでとても嬉しい』と語っている」 などと詳細に報道。
Star誌は、サーカスの訓練士の象の扱いに問題がなかったかどうか、虐待がなかったか、など動物愛護の観点からインタビューを集めている。(同記事によると、アラネタスタジアムには日本人のトレーナーもいるらしい。)この象は13歳で、タイから連れてこられたらしい。アラネタにはサーカスのために訓練を受けている象が全部で10頭いるとのこと。Jumboくんは今後、ショーに出ることはないそうである。
つくづく、マニラはすごいところだと思った。いや、そりゃインドでは道を象が歩いているし、京都でもイノシシくらいは出るのだから、国際的な比較の観点から見てマニラがすごいというのではないのだれど、サーカスから象が逃げ出すなんて。 |
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